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パソコンライフ 第217回  2016年8月号PC Life 217  2016/7/25

パソコン(コンピュータ)の信頼性や安全性について

 今回は、どこのメーカのパソコンが良いとか壊れにくいとかの品質やウイルスなどのセキュリティー対策の話ではなく、少々堅い話かもしれませんが、パソコンも含めたコンピュータシステムへの私の雑感です。

 実は、私が新卒で入社した会社は製造メーカでして、まず開発担当した製品が“燃焼安全装置”という機器でした。バーナーの着火、火炎とボイラー運転状態の監視、そして遮断・停止までのシーケンス(運転手順)を制御するものです。それはまだCPU(当時は、マイクロプロセッサーとかマイコンと呼んでいました)を使用していない電子部品で構成されていました。つまり抵抗やコンデンサ、リレーなどのパーツで回路設計されていましたが、他の機器と決定的に異なるのが、どこのどの部品が故障しても絶対に危険な方向に向かわない、この場合ボイラーが爆発して最悪の死傷事故が起こらないようにすることでした。このことを専門用語で、フェールセーフ(fail safe)と言います。さて、1970年代後半からあらゆる電子機器にCPUが搭載され始めたのですが、この燃焼安全装置にも適用させる試みがなされたのです。それまでの従来の電子部品で構成されたアナログ機器では各パーツの故障モードは、短絡(ショート)か開放(オープン)だったりしますので、使用部品のすべてについて各々の故障がどっちであっても決して爆発につながる方向に行かないようにフェールセーフ設計をするわけです。“何が起こっても必ず安全側に向かう”ということで、飛行機だと墜落させないこと、車や列車だと速やかに停止することなのです。

 ところが、電子パーツがデジタル化、集積化され、さらにソフトウェア(機器組込みではファームウェアと言います)という厄介で複雑なモノを抱えた製品についてはどう壊れてどうなるかなどという検証はほぼ不可能になったのです。また、ソフトは人が作成しチェックしますので、ヒューマンエラーが入る余地もあるからです。実際のシステムでは、異常時には出力が安全側に固定されるような仕組みができており、さらに外部出力側には機械的なストッパーとかリミッターでインターロックする安全装置が付いています。

 パソコン単体の誤動作や故障では、わが身に危険が及んだりはしませんが、コンピュータシステムではその安全性技術が日々進歩してきているとは言え、そのすべてが完璧な安全性を確保してはいないでしょう。コンピュータ制御システムのフェールセーフにはまだまだ課題があると思います。想定外の事態を考慮していない原発の再稼働や、近い将来の自動運転車の普及が非常に心配です。

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